運転免許の取り方とその仕組み

運転免許と保険の関係

 車の運転を行う場合、言うまでもない事ですが、交通事故というリスクがあります。日本はちょっとした事故でも交通事故に数えられるため、交通事故発生率そのものは高い国でもあります。その代わり、といっては何ですが、日本よりも交通事故発生率が低い割に、交通事故死亡率が高い国はけっこう多くなっています。日本は交通事故そのものは多いですが、死亡事故にまでいたる交通事故の割合は比較的低いと言えます。とはいえ、いつ起こるのか、いつ巻き込まれるのかわからないのが交通事故です。いざという時に備えて、車を運転する以上必ず必要なのが「保険」です。日本では、車を運転する人は必ず、強制保険とも呼ばれる自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)に加入します。車を所有する場合は、この自賠責保険に加入していなければ、車検は通りません。通常は、車検を受ける車屋さんにおまかせしている人がほとんどですから、意識していない人も多いかも知れませんね。ただ、この自賠責保険は、運転者ではなく、車に対してかける保険です。ですから、自分の名義ではない車で事故を起こしても、車検に通っている車であればこの自賠責保険は使うことができます。ちなみに中古車などを購入した場合、元の持ち主がかけた自賠責保険が有効であれば、もちろん中古車を購入した場合に、この自賠責保険に入り直す必要はありません。ほとんどの場合、車検期間よりも少し長く自賠責保険が有効になっていて、この自賠責保険の名義人が誰であれ、その車に対して自賠責保険は有効になるのです。
 ただ、この自賠責保険は、あくまでも交通事故被害者の救済措置であって、最低限の補償しかされません。ですから、通常は自賠責保険以外に、任意保険に加入することになります。自賠責保険に比較すれば、どうしても高額なものになってしまいますが、自分が加害者になってしまったときのことを考えれば、必ず加入しておくべきものです。車両保険などはもちろん必ず必要とはいえませんが、対人・対物は無制限でかけておくのが普通です。
 それでは、車を持たず、任意保険に加入していない人が、レンタカーを借りたり、知人の車を運転したりする場合は、どうすればいいのでしょうか。レンタカー屋さんの場合は、レンタカー屋さんの名義で加入した任意保険の範囲で、万が一の場合の補償があります。また、自己負担分が免責される、免責補償制度もあります。知人の車を借りる場合、もちろんその知人が加入している任意保険はありますが、借りた人にも有効な保険とは限りませんし、有効だとしても万が一事故を起こした場合、保険を使う必要がでてきて、その知人の保険等級が下がってしまうことも考えられます。最近では1日だけ有効な自動車保険なども出てきましたので、こうした任意保険を利用されておくと安心かもしれませんね。
 車は一歩間違えれば凶器にもなります。車の運転をする以上、誰もが加害者になる可能性があるということは常に忘れないようにしなければいけません。そして、どんなに気を付けていても、事故を起こす可能性がゼロでない以上、保険は必ず必要なものといえるでしょう。